返還請求で大儲けした認定司法書士の脱税

過払い金返還訴訟で得た報酬、2.4億円を隠した疑い
東京国税局が認定司法書士を告発

多重債務者の過払い金返還請求訴訟など債務整理問題に取り組んでいた司法書士が報酬の大半を申告せず曝していたとして、東京国税局から所得税法違反(脱税)容疑で東京地検に告発されたことが分かった。隠した所得は約2億4千万円に上るとみられる。 
「認定司法書士制度」が03年から導入され、法務大臣の認定を受けた司法書士なら、弁護士同様の業務の一部をできるようになったが、同制度に絡んで脱税容疑で告発されたケースは初めてだ。
告発されたのは、東京都港区に事務所を開いている平田学則司法書士(38)。
取材に対し、「既に修正申告している」と話している。
関係者によると、平田司法書士は04年に認定司法書士の資格を取得。ホームページなどで「借金問題を解決」 「24時間、365日対応」などと掲げ、消費者金融などに多額の借金をしている債務者からの相談に乗っていた。
特に最近は、法定金利以上の返済をしている多重債務者の代理人として、過払い金の返還請求のための訴訟や交渉などを手がけていたという。
平田司法書士は金融機関に5口座前後を自分の名義で開設し金融業者からの返金や顧客からの報酬を分散して受け取っていた。しかし、このうちの1口座分しか申告の対象にしていなかったという。隠した所得は07年までの2年間で約2億4千万円で、脱税額は約9千万円に上るとみられる。

「勝てる訴訟」・「今が稼ぎ時」
過払い金返遺請求訴訟は元々は弁護士が中心だったが、最近は司法書士の進出が著しい。
03年の改正司法書士法施行後、業務内容が拡充し、一部の返遺帯求訴訟も可能となったからだ。
グレーゾーン金利を実質的に否定する最高裁判決(06年1月)の影響で、金融業者側が争わなくなり、「間違いなく勝てる訴訟」と言われるようになった。訴訟事務もマニュアル化して手間がかからな
くなったため、司法膏士の新規参入が増加。「債務整理ならお任せ下さい」・電話、ネットでご相談下さい」など電車内や夕刊紙での広告も目立つようになり、過当競争状態になっている。
将来的にはグレ」ゾーン金利がなくなり、訴訟そのものが減少する。こうした状況を背景に、都内の司法書士(63)は「今のうちにできるだけ稼いでおこう、税金もなるべく払わないようにしたいという
気持ちはある」と打ち明けた。
全国クレジット・サラ金問題対策協議会事務局長の木村達也弁護士は「生活保護の申請やヤミ金にも対応するなど、債務者の生括再建まで視野に入れて誠実にやるべき職務なのに、そうではない人もいる。報酬も高い」と指摘している。

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